2003/4/19
彦根城 その1



↑彦根駅前に立つ初代藩主、井伊直政像。
彦根城は井伊家の居城で、
井伊直政の息子、直勝が1603年に築城を開始。
1622年に完成。桜田門外の変で暗殺された
井伊直弼は13代藩主になります。


↑彦根駅前のビルから見たオーミ緑化。
ここもオーミケンシの関連企業。
ブレードランナー的退廃感が漂ってます。


↑中濠にかけられた京橋
信号の先に続くのが夢京橋キャッスルロード。


夢京橋キャッスルロード

姫路城に続くお城探訪第2弾として
妹とともに彦根城に行ってきました。
姫路城へ行くきっかけは『世界遺産』でしたが、
今回もNHKで彦根城を紹介していたのを見て、
「次は彦根城だ!」と決定しました。

彦根城って国宝なんですが、あまり知られてないんですよね。
(私もNHKで見るまで知りませんでしたが。)
どこにあるのかも調べるまで知らなかったのですが、
滋賀県の琵琶湖の側にあります。

東京-名古屋-米原まで新幹線。
米原で乗り換えて彦根駅に到着しました。
東京を出発するときは、
初夏の陽気で熱いくらいだったのですが、彦根はあいにく雨。
城は翌日ゆっくりまわることにして、琵琶湖散策へ向かいました。

お堀の横を通って雨の中歩き続けること30分以上。
やっと琵琶湖にたどり着きましたが、雨なので何も見えず。
そして、それよりも驚いたのが琵琶湖付近に立つ工場でした。
雑草の生い茂る中に立つ古い工場は
黒沢清の映画(岩井俊二の『PiCNiC』でも可)に
出てきそうなほど不気味な雰囲気。
おそらく寮だと思われる建物には人が住んでいるのかいないのか、
褪せたカーテンがかかっている窓もあるのですが、
窓ガラスにはヒビが入り、テープで止めてあるという状態。
(テープで止めた窓ガラスって漫画以外で初めて見ました。)

オーミケンシ」と記された工場は
とっくに閉鎖された古い工場なのかと思ったら、
バスも止まるし、一部は稼働している様子。
東京に帰ってから調べたところ、
オーミケンシは大正6年に創業、
三島由紀夫の『絹と明察』にも出てくる、かなり歴史のある紡績メーカーでした。
彦根のあちこちで見かけた「オーミなんとか」とつく会社はすべて関連企業。
紡績業の不振にともない、各地にあった工場は次々と閉鎖され
最近ではスーパーマーケットに土地を貸し出したりしているようです。

ちゃんと現役の会社なのですが、
この工場は幽霊でも出そうな雰囲気がただよっていて、
結局、写真の一枚も撮らずに通りすぎてしまいました。

そして、もっと恐かったのが夜。
ホテルで『ブロードキャスター』を見ていると、
「滋賀県彦根市で今週月曜日に女性の焼死体が発見」
というニュースをやっていて、昼間、歩いていたあたりが映っているのです。
正確には工場ではなく近くの空地なのですが、
地元の人も「夜はここらへんは通らない」という寂しい場所なのだとか。
妹と「やっぱり、あのへんって何かあるんだねー」と話していました。


彦根にはこの工場に限らず、古い建物があちこちにあって、
渋くてかっこいい建物も多いのですが、
味がある古さを通り越して、なんで取り壊さないんだ
と思うようなものもずいぶん見かけました。
それと、対照的に無理矢理、観光地化されているのが、
夢京橋キャッスルロード
江戸時代の建物を再現したとかで、土産物屋や食事処ではない、
普通の薬屋や写真屋、銀行や公衆トイレまで
建物がすべて江戸時代風になっている不思議な通りです。
(銀行には「両替商」、公衆トイレは「厠」と立て札や暖簾に書かれている。)

彦根の名誉のために書き足しておくと、
ここの観光協会はすごく努力してると思います。
私が訪れた期間は桜まつりの時期にあたり、
この期間は夜になると桜並木がライトアップされます。
同じく、秋には紅葉のライトアップが行なわれるそうです。
八景亭の方の話によると、このライトアップは最近始まったもので、
紅葉の時期には、いちばん綺麗なところを照らすように、
毎日、照明を移動するのだとか。

駅の観光局や城の入口で無料で配っている観光マップも
城の観光スポットの周り方をコース別に紹介してたりして
わかりやすくて、よくできているし、
城内では「ご城下にぎわい市」(物産店みたいなの)を開いていたり、
あんまりお金はかけられないけど、がんばってます
というのが伝わってきました。


↑中濠。少しだけど桜が残ってました。



↑あいにくの雨でしたが、
雨に煙る桜も風情があっていい感じ。


↑旧西郷屋屋敷長屋門。
説明を読んでいるのは妹。


↑旧西郷屋屋敷長屋門の近くの石段。
桜が散って綺麗でした。


↑夢京橋キャッスルロードのびわこ銀行




↑びわこ銀行のウィンドウ。
飾られているのは写真かと思ったら絵。
キャメロン・ディアスとジェームス・ディーンが無秩序に並ぶ。


↑ライトアップされたお堀。

↑桜まつりの期間だけ桜もライトアップ。

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